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Rep:押井監督「スカイクロラ」ティーチイン
カテゴリ: 07.イベント / テーマ: スカイ・クロラ -The Sky Crawlers- / ジャンル: 映画
 当選した友人のおかげで、7月25日 新橋ワーナー・ブラザーズ試写室にて行われた押井監督の「スカイ・クロラ」に行って来ることができました。ほんとうにありがとうございます!!生でお話を伺うチャンスなんてそうそうありません。この経験を無駄にしないためにも、全然メモがとれていないのですが、雰囲気だけでもレポートしたいと思います。(頭の中に残る言葉の響きをおっかけて書いているので、ほぼ「こころぐ語」になっていること、ご容赦ください)

  
■WB映画試写室の前に置いていあるダークナイトとスピードレーサー

 ダークナイト  スピードレーサー

■プレスシート
プレスシート







 映画の上映は午後6時半から2時間。実際にトークが始まったのは午後8時半でした。司会は押井監督の作品をリアルタイムで見てきたというアイダ氏です。

【質問その1】
 まず、司会の方からの質問
 
 今まで、私は押井監督の作品をリアルタイムで見てきましたが、今回の「スカイクロラ」では違うものを見た気がしています。今までは、何か目標があってそれを目指していましたが、今回はその目標を感じません。」

(監督)

 今までは作品そのものにそういう動機がありました。確かにお客様に向き合ってではなく、映画に向き合っていたのは確かです。お客様にはその過程を楽しんでもらえばいいと思っていた。一本やるたびに、達成感を求めて制作していた。言われるとおりだと思う。
 今回は3Dの特性を見極めたい、軍艦やりたいとかいろいろあるが、基本的には何もないところから始めた。自分の中で何か終わったところから、ゼロから始めたのがこの作品。
 だが、ゼロからといっても、30年やってきているから、映画作りのノウハウや構造は実に染み付いている。それなしに映画は作れないと思っている。
 「イノセンス」を作ったとき、何もかもやりつくし終わったと思った。この作品では作り手としての思いを(観客)に的確に伝えることができたのだと思う。





【質問その2】
 
 素敵な作品をありがとうございます。私の好きなシーンは、ラウテルン社の基地に総攻撃をかけるとき、英語で「Let's Dance」の後、空中戦に入っていく。字幕では「自由戦闘」となっているところです。脚本家の伊藤ちひろさんの作品を何本か見ていますが、伊藤さんの感性とは思えません。あのシーンのセリフをあのようにしたのは誰の意志だったのか、またそのシーンに対する思いを教えてください。

(監督)

■該当シーンについて

 あのシーンのセリフは全部僕が担当しています。伊藤ちひろさんは軍事おたくではないし、彼女はああいう戦闘シーンを担当していない。自分の状況を短く的確に伝える必要があるので、実際に自衛隊もそうだし、外国でも共通言語としてこれらの英語が使われている。フランス人は知らないけど(笑)。あのセリフを僕が書いたのですが、実際に軍事関係に詳しい岡部いさくさんに監修してもらったんです。
 
 でも、「2機落とした」というところなんか「ドッペル」って言っているんだけど、あれドイツ語なんだよね。というように、正確には本当に使われている言葉ではないところもある。ただ、これはフィクションの世界だから、それでもいいだろうと(笑)

 今回、地上は日本語を使って、空では英語を使って、そこを字幕にしている。それで表現の深みが出ると考えている。
 
 絶対使われていない言葉は、最後のシーンで函南がティーチャと対峙したときに言った「Kill My Father」(※註:確か字幕では「ティーチャを倒す」となっていたと思います)。あれは航空用語では使われていません。あれは僕が入れた。だけど、あのシーンをスカイウォーカーサウンドで録音するときに、ランディ・トムやスタッフから猛反対を受けた。

 「おやじを殺す」ってのはどういうことかってんでね。(笑)
 
 彼らにとっては、あの言葉はメタファー(隠喩)にはなりえないんだよね。あの言葉には、別の意味があるんだけども・・・・。(ティーチャについては、メイキングのDVDカウント1で「彼らには絶対倒せない父親的な存在が必要。それがティーチャなんだ」と説明されていたように思います。)
  
■字幕スーパーを使う意義

 そういえば、「攻殻機動隊」を吹き替えるときに、海外の翻訳家ともめました。こちらは「軆は女だけど、男でも女でもない」と。そうしたら、あっちは「じゃぁ、sheかheか、さもなくばitか」っていううだよね。「そのどちらでもないんだ~」と論争になっちゃって。日本語では、主語を省くことができるから、翻訳通訳することが難しくなる。
 
 よく「映画は国境を越える」という人があるが、僕は「映画は国境を越えない」と思っている。たとえば「ランボー」。あの映画で描かれる世界観を理解できるのはあの体験をした人だけであって、日本人は彼らと同じ感情で見ることができない。
 
 だが、字幕スーパーを使うことで表現を多義的にできる。
 
 パイロット達の会話意外にも、英語を使っているシーンがある。パイロットが死んだとき、草薙が観客に向かって「Enough is enough(もううんざりだ)」と言って、その後、日本語で「かわいそうなんかじゃない」といっているが、英語のセリフは映画中の観光客に向かって言っているが、日本語のほうは観客に向けられているんだよね。
 
 また、優一がビデオの中でインタビューを受けるシーンがあるが、英語のセリフなので、よそよそしい印象を受ける(と思う)。
 
■映画の中で使われる言葉について

 「アヴァロン」を作ったとき、ポーランド語のセリフをある大学の先生をやっている女性に見てもらったんだ。実際に撮影に入ったとき、あちらでは、こんなスラムのように薄汚い街で上流階級のような言葉をしゃべっているのは不自然だというわけだ。ただし、ログインとかログオフとかゲーム用語は全部英語だったけれど。
 でも、彼らにセリフを変更させたとしても、こちらとしてはチェックのしようがない。それに、もし今使われている言葉でリアルに作ったとしても、その映画は10年で、終わって(時代遅れになって)しまう。だから、当初の台本でやってもらった。
 
 10年で終わる映画は撮りたくないと思っている。(映画は見られて映画たるものだと思っているので)なるべく平易な言葉で作っていきたいと思っている。




【質問その3】
 今回のキャスティングは声優ではなく、俳優を起用していますが、その理由は。
 
(押井監督)

■選択した理由

 (その質問は多いらしく、頭をかきながらうんざりといった感じで)うーーん。僕は商業主義に魂を売り渡したわけでもなんでもないから。「攻殻機動隊」のときは草薙役の田中敦子を(有名な女優に)変えろという話があった。(観客席より驚きのためいき)でも、田中を変える理由なんてないじゃない。
 今回、40名ほど候補があった。彼女はアカデミー賞の候補だったが聾唖者の役柄だったから、彼女は候補になっていなかった。ちょうど、今は草薙をやれる層がまったくいない。絵にぴったりとして声をあてるのではなくて、どこかずれた感じがほしかった。今、アニメ界では世代の断絶があって、そういう演技ができるのは30歳から40歳以上しかない。ただ、僕には草薙の声には確固たる条件があったから、いろいろ模索していた。そのとき、たまたま雑誌で菊地と対談することになった。彼女の存在感が草薙にぴったりだと思い、その場で申し込んだ。実際、プロジェクトとして可能かどうかという判断をもらう必要があったが、あっさりOKが出たので菊地で行くことになった。
 
 菊地凛子には、日本映画の中にはおさまらない独特の居心地の悪さというか、存在感がある。その存在感とどこかしらにじみ出る幼さが草薙の役柄にフィットしていると思う。
 今回、三ツ矢碧をやった栗山とは以前からやりたいと思っていた。栗山とはいつか実写でも仕事をしたいと思っている。

■声優と俳優のヴォイスアクティングの違い
 
 声優と俳優のアクティングの違いについてだが、身体で演技する俳優にとって、声だけの芝居は難しい。これは加瀬くんが言っていたが、マイクに向かうとどうしても体が動いてしまう。その点、声優は(頬を指差しながら)声だけでモニターの中に自分の体を作り出すことができる。
 昔、バーチャルファイターが好きだったが、勝った瞬間だけゲームの中に自分が入ってしまうんだよね。あんな感じ(笑)。声優は声だけで自分の二次的な体をモニターの中に作ることができる。今回、声を担当してもらった俳優たちには、「モニターの向こう側に自分の体を感じる瞬間まで」と伝えた。加瀬君などは、彼、バイリンガルなので(へぇっと会場からため息)苦労していたみたいだけど。




(映画のネタばれなので、未見の方は読まないでください)






【質問その4】
 原作のファンなんですが、なぜ原作とラストを変えたんですか?

(押井監督)

■理由その1

 それは最初に決めました。だって、原作は草薙を殺して、函南が精神病院みたいなところに入っている暗い結末でしょ。だいたい僕は映画にはポリシーがあって暗い結末の映画は撮らないようにしている。それに、女の子と犬は殺さない(笑)。男はバンバン殺しているけれど。原作は函南が主人公だけど、全部受身なんだよね。時折空を見てはため息をついている。それに、20年ほど前から、僕は女の子を主体に映画を作ったほうが楽しいということもあって、今回は草薙を主人公にした。
 そういえばさっきこの試写室でダークナイトを見たんですが・・・映画はよくできているんですが、犬を殺しちゃっているんですよね・・・・。(とつぶやき)
 
 原作者の森(博嗣)さんには、事前に「こうつくっていいか」と了解をとりにいったけれど、原作者として、彼はできた人でねぇ・・・(といたずらっぽく目を細めながら・・・)「飛行機飛ばしてくれたらそれでいい」っていうんだよな。それで、あんな結末になった。ちなみに、僕は映画を作った当時は、一巻しか読んでいません。今はもちろん、全部読んでいるけれど。でも、あれを全部映画にしようとすると・・・・(無理だね)、情報量が多すぎて。わかりやすくするためには制約をかけないと。
 
 はっきり言って、この映画は全部女性でもいいと思っている。よくあるじゃない。戦艦の乗員が全部美少女とか。(主人公の)函南も女にしようかと思ったくらい。でもティーチャだけは大人の男性でなくてはならないが。笹倉を女性にしたのは、別の理由がある。彼らを見守っている母親的存在・・・・というと笹倉しか考えられなかった。

■理由その2

 またラストを変えようと思った理由はもう一つある。
 
 函南だけが本当のことを知らないわけだが、他のやつらはみんな知っている。クリタジンロウ→カンナミユウイチ→ヒイラギオサムという繰り返しの中、今度は殺しあわなくてもすむ未来があるかもしれない・・・・。ただ繰り返していることは無意味ではないんだということがいいたかった。
 今、俺は2回目の人生を生きているわけだが(また楽しそうに目を細める)、そういうことを言いたくてこの映画を作った。実は、若い人に見てもらいたくて、今回は夏に作った。実は巨匠(宮崎 駿氏)と公開がぶつかるのは2度目。いつも僕は春の公開が多いんです。でも、春だとね受験だとかいろいろあってみてもらえないということで、今回、夏公開に踏み切った。
 
 でもね、「崖の上のポニョ」も見に行ってくださいね。僕はあのポニョがヒットしてほしいと思っている。いつ、ぽっくりいってもおかしくない年だから。巨匠の映画がヒットしてくれないと、オリジナルできちんとアニメを作る人がいなくなってしまう。もしあの人がいなくなっても、僕にはあの人の代わりができない。だから、巨匠には頑張ってほしいと思っているんです。



 
 (司会より)
 実は押井監督の誕生日は公開日の後の6日後(ということは末広がりの8月8日ですね)です。押井監督が無事誕生日を迎えられるようにスカイクロラのヒットを祈っていてください。また、耳寄りの情報です。さきほど、押井監督からあったスカイクロラシリーズですが、第5巻に押井監督が「自由について」すばらしいことを書いてくださっています。立ち読みでいいですから、読んでみてください。
 
(註)
 ちなみに、スカイクロラから2巻から4巻をすっとばして、第5巻の「クレイドゥ・ザ・スカイ」を読んでも、時系列的には問題がないと思います。ただ、最後のエピローグを読むと、フィリップ・K・ディックの「死の迷路」ならぬ「空の迷路」にはまってしまうこと請け合いです。スカイクロラと第5巻のエピローグを補完する作品としては短編集「スカイ・イクリプス」の最後の短編「Ash of the SKY」がありますが・・・・。私なんかが語るより、映画では満足できない・・・・という方は、是非、お勧めします。

 
 また、原作を読む指南書としてては別冊宝島の押井守ワークス+スカイ・クロラ The Sky Crawlersがおすすめです~。




 原作も押井監督の作品も大好きなんで、今回、お話ができてうれしかった。寝ている方もありましたが、もったいなぁいって感じ。貴重な機会をくれた友人には感謝感謝です。それと焼きたてのクリスピー・ドーナツありがとう!!
 
 大阪土産楽しみにしておいてください。↓
 
 大阪みやげ



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編集 / 2008.07.25 / コメント: - / トラックバック: - / PageTop↑
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今、ここにいる自分、明日どこかにいる自分、そんな自分の合計が一生になっちまうんですねぇ~。














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